イメージ画像

大穴列伝 「勝つ事に理由はいらない ノーリーズン」

後方でジックリ足を溜めている本命馬達に視線が行く中、
ほとんどの競馬ファンが見向きしていなかったその馬は、
内ラチ沿いを淡々と走っていた。

中山第4コーナーの勝負所。

先行した馬、後ろにいた馬。
各馬が密集し始める馬群の中、
内にいたはずのその馬が、なぜか外に位置づけていた。

 
第62回 皐月賞

2002年の牡馬クラシック第1弾皐月賞

前年はアグネスタキオンジャングルポケットクロフネという、
新たな時代の幕開けを予感させるスターの誕生に沸いた年だった。

この年も各方面から多種多様なスター候補が集まった。
朝日杯FS勝ちで名牝ベガの子供アドマイヤドン
前哨戦の弥生賞を勝利したバランスオブゲーム
女帝エアグルーヴの全弟で3戦3勝のモノポライザー
弥生賞は負けて強しの内容だったローマンエンパイア
重賞連勝中のチアズシュタルク等々。

しかし、どの馬も決定打に欠ける中、
シンザン記念アーリントンカップスプリングステークスと、
圧倒的な末脚で後方から差してきて重賞3連勝中の、
タニノギムレットに注目が集まった。

だた、主戦である武豊騎手が負傷で前走のスプリングSから、
四位騎手が騎乗している事と、距離に若干の不安点を感じたのか、
これだけの実績を上げながらも、2.6倍で圧倒的支持という事では無かった。

 
そんな中、皐月賞への出走権を狙い出走した若葉Sでは、
11頭立ての7着と大敗したものの、なんとか抽選枠に潜り込んだ馬が、
ノーリーズンだった。
鞍上はこの年、初めて短期免許で来日していたブレット・ドイル
(この後、海外での金銭トラブルに巻き込まれ以降来日せず)

この多種多様なメンバーが揃った中、
成績上はOP戦惨敗、500万下を勝利したに過ぎない馬の評価は
当然低いもので、単勝115.9倍の18頭中15番人気だった。

 
スタートが切られた。

1枠2番に入ったノーリーズンは、これまで同様先行したかったが、
周りとのスピードの違いで、押しても好位置につける事が出来ず、
隊列の中団やや後方に位置づけた。

鞍上のドイルアドマイヤドンのすぐ横の内ラチ沿いを
折り合いをつけて追走。
その後方に、上位人気のタニノギムレット
モノポライザーローマンエンパイアがいた。

淡々としたペースの中、3コーナーから4コーナーにかけて、
各馬が徐々に仕掛け始める。

4コーナー手前で、内がゴチャつくのを嫌い、
タニノギムレットをはじめ、後方待機していた人気馬は、
外々を大きく回る。

この時点でノーリーズンはまだラチ沿いを走っていた。

しかし、4コーナーを回る瞬間、各馬が膨らむのを利用し、
ドイルは最内から一気に外に持ち出した。
内に固まる先行組と、外に固まる後方組との間、
1~2頭分のスペースに上手く馬体を入れる事に成功。

観客は先行逃げ切り態勢に入ったダイタクフラッグと、
タイガーカフェから、大外に回ったタニノギムレットへと、
その目はシフトしていくはずだった。

しかし、脚色が衰えていくはずの先行各馬の中で、
ただ1頭グングン伸びていく馬がいる。

「いつのまに」

この表現が一番シックリきそうなレース展開をしている1頭の
競走馬が、粘っているタイガーカフェをあっさり交わし、
後方からゴボウ抜きを見せるタニノギムレットの猛追を交わし、
1着でゴールした。

 
勝ちタイム1.58.5
1994年にシャドーロールの怪物3冠馬ナリタブライアン
マークした1.59.0を0.5秒更新するレースレコードだった。
(これは2013年にロゴタイプが更新するまでのレコード記録)

 
単勝11,590円
皐月賞史上歴代1位の配当。
クラシックレースでは1949年の日本ダービーで
優勝したタチカゼ(55,430円)に次ぐ、
史上2番目に高い配当で(グレード制導入後は1位)、
クラシックレースでの単勝万馬券も、この2頭のみである。

 
一気にクラシックの主役となったノーリーズンは、
その後、タニノギムレットが勝利したダービーで骨折の影響などもあり8着。

しかし故障明けの神戸新聞杯で2着に入り、その能力を示し、
主役不在と言われた菊花賞で競争馬生活で唯一の1番人気に推されるも、
スタート直後に悪夢の落馬。
(ちなみに、この時上位に入ったのは勝利したヒシミラクルを除くと、
皐月賞ノーリーズンが負かした相手。)

その後も目立った成績を上げる事は出来なかったが、
皐月賞菊花賞の衝撃で、いつまでも記憶に残る名馬となりました。

 

着順 馬番 馬名 人気 単勝
ノーリーズン 15 115.9
タイガーカフェ 19.2
11 タニノギムレット 2.6
ダイタクフラッグ 13 112.3
メガスターダム 16 119.5

単勝:(2)11,590円
複勝:(2)1,970円、(9)450円、(11)130円
枠連:(1-5)2,040円
馬連:(2-9)53,090円
ワイド:(2-9)10,450円、(2-11)5,050円、(9-11)1,180円

 

 

関連記事

コメントを残す

サブコンテンツ

プロフィール

【k-wind】 競馬を楽しんで10数年。オグリキャップから始まり、 ライスシャワー、ディープインパクトと、 大好きな馬は数知れず。「競馬の魅力とは」 このテーマを日々考えている30代牡です。

メルマガ会員募集中

ランキング


にほんブログ村 競馬ブログへ

競馬ランキング&競馬情報検索エンジン 競馬サーチ.com

にほんブログ村

最近のコメント

このページの先頭へ