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Amelican Pharoah(アメリカンフェイロー)、37年ぶりの米3冠達成なるか?

今年米国競馬では37年ぶりの3冠の偉業達成に注目が集まっています。
米国(北米)での3冠レースというと、
ケンタッキーダービープリークネスSベルモントS
の3レース。

日本でのイメージでいうと、
ケンタッキーダービー(約ダ2000) ⇒ 東京優駿(芝2400)
プリークネスS(約ダ1900) ⇒ 皐月賞(芝2000)
ベルモントS(約ダ2400) ⇒ 菊花賞(芝3000)
に該当します。

日本3冠 → 距離の壁
欧州3冠 → 古馬の壁
米国3冠 → 日程の壁

と言われるように米国3冠は、
中2週・中3週という短い日程で開催されます。

加えて最後のベルモントSが他の2レースよりも長い距離設定の為、
体のタフさが、かなり求められる3冠最終戦となっています。

今年、Amelican Pharoahという3最馬が、
この3冠に王手をかけています。

 
本題に入る前に、なぜカタカナ表記しないのかと言いますと、
(タイトルは便宜上書きましたが)
馬名の”Pharoah“が問題でして、
そのまま発音するとフェイローになりますが、
馬主は古代エジプトの王の意味であるファラオと付けたかった所、
誤記登録してしまった経緯があり、
ファラオと読むべきかフェイローと読むべきか、
ネット・媒体の中でも二分化されています。
海外競馬評論家で有名な合田氏は”フェイロー“と表記していますので、
それに倣ってタイトルでは”フェイロー”としましたが、
本文中ではカタカナ表記は避けたいと思います。
まぁ、どちらの表記で読んで構わないと思いますけどね。

 
話戻ってAmelican Pharoah

血統構成は父がPioneerof the Nile(パイオニアオブザナイル)
エンパイアメーカー産駒でサンタアニタダービー含むGⅠ2勝(重賞4勝)。
ケンタッキーダービーは2着という成績でした。
母はLittleprincessemma(母父Yankee Gentleman)
現役時代未勝利も、その兄姉には重賞勝ち馬が出ています

 
2014年のデビュー戦こそ敗れたものの、
続くデルマフューチュリティ(GⅠ)で勝利。
フロントランナーS(GⅠ)も勝利して最優秀2歳馬を受賞。
年が明けてレベルS(GⅡ)を不良馬場の中、6馬身差の完勝。
アーカンソーダービー(GⅠ)も8馬身差の圧勝。

大一番のケンタッキーダービー(以下、”ダービー”と略)はスローの前残り競馬となったものの、
3番手につけたAmelican Pharoahは終始外々を回される展開。
3コーナー過ぎて仕掛け始め、4コーナーも外に膨らんだものの、
前をいく内の2番人気Dortmundと4番人気Firing Lineを、
まさにねじ伏せる形で勝利(Firing Lineとは1馬身差)。

 
そして2冠目となるプリークネスSは、
レース直前の豪雨により馬場が急変し、かなり時計のかかる不良馬場。
(日本のダートとは違い、米国は道悪競馬の方が時計がかかる事が多い)
最内枠に入ったAmelican Pharoahは番手につけたダービーとは違い、
押して先頭に立ってレースを引っ張る。
3人気のDortmundがダービーのお返しとばかりに、
3コーナー過ぎから仕掛け始め並ぼうとしますが、
Amelican Pharoahの手応えが他馬とまるで違い、
直線入ると後続が道悪によるスタミナ切れでバタバタになる中、
シッカリとした走りで突き離し7馬身差の圧勝。

これで米国3冠王手となりました。

 
次走は6月6日のベルモントS
これまで対戦してきた相手とは力差が頭2つ3つほど抜けているので、
距離が伸びても、おそらく逆転されることは無いと思います。
相手は未対戦馬というよりも自分自身かもしれません。

 
1977年Seattle Slew(シアトルスルー)、1978年Affirmed(アファームド)が
2年連続で達成して以後、36年間3冠馬は誕生していません。

それでは1979年から3冠リーチがかかった競走馬の、
ベルモントS成績を振り返って見ます。

1979年:Spectacular Bid(スペクタキュラービッド) 3着
→向こう場面で早めに先頭も直線差し切られる。
 当日安全ピンが蹄に刺さるというアクシデント。
 勝ち馬はクラシック別路線組ピーターパンS勝ち馬Coastal(コースタル)。

1981年:Pleasant Colony(プレザントコロニー) 3着
→中団から外々を回って追いかけるも逃げ切られる。
 勝ち馬はクラシック別路線組のSumming(サミング)。

1987年:Alysheba(アリシーバ) 4着
→好スタートも一旦控えて中団。3コーナー過ぎから仕掛け始めるも、
 早めに先頭に立ったBet Twice(ベットトワイス)が後続を突き離し勝利。
 4コーナーで前がふさがる不利があったものの、距離も幾分長かったか。
 Bet Twiceはクラシック連続2着馬。

1989年:Sunday Silence(サンデーサイレンス) 2着
→番手から4コーナーで先頭も、
 直後で徹底マークしていたEasy Goer(イージーゴア)に
 直線突き離される。
 Easy Goerはクラシック連続2着馬。

1997年:Silver Charm(シルバーチャーム) 2着
→番手から4コーナーで先頭に立ち直線も粘るも、
 外からTouch Gold(タッチゴールド)に差し切られる。
 Touch GoldプリークネスSで1・1/2身差の4着馬。

1998年:Real Quiet(リアルクワイエット) 2着
→中団から4コーナー手前で先頭。
 後続突き放し3冠達成かと思いきや、
 直線半ばで脚色鈍り、中団から追い出しを我慢し、
 コーナーを上手く回り差してきたVictory Gallop(ヴィクトリーギャロップ)に
 ハナ差負け。
 Vicotry Gallopはクラシック連続2着馬。

1999年:Charismatic(カリズマティック) 3着
→番手から直線先頭に立つも伸びきれず。
 外から差し切ったLemon Drop Kid(レモンドドロップキッド)は、
 ダービー9着、ピーターパンS3着の人気薄馬でした。
 Charismaticはレース中に骨折。
 レース後異変を感じた騎手がすぐに下馬し、
 故障した左脚を支え続けた映像は、
 3冠を逃したものの、多くの感動を呼ぶ。

2002年:War Emblem(ウォーエンブレム) 8着
→スタート出遅れからラチ沿いを走り、
 3コーナー手前で先頭に並びかけるも、
 そこから全く伸びず8着と大敗。
 逃げて自分のペースで走らなければ脆い性格が
 大一番で災いした形。
 勝利したSarava(サラヴァ)はクラシック未出走の超人気薄馬。

2003年:Funny Cide(ファニーサイド) 3着
→不良馬場の中、6頭と少頭数で行われハナを切りペース作るも、
 番手でマークし続けたEmpire Maker(エンパイアメーカー)が
 4コーナーで交わしきり、そのまま勝利。
 Empire Makerダービー2着。
 プリークネスSは回避していました。
 今回の主役Amelican Pharoahの祖父で、
 現在は日本で種牡馬として繋養されています。
 
2004年:Smarty Jones(スマーティジョーンズ) 2着
→3番手から向こう場面早めに先頭。
 4コーナーも手応え良く独走かと思いきや、
 直線に入ったところで脚色が鈍り始め、
 ゴール前でBirdstone(バードストーン)に差し切られる。
 デビューが少し遅れたこともあり、
 11月からココまで休みなしの9戦目。
 余力は少なかったか。
 勝ったBirdstoneダービー8着。
 プリークネスSは回避していました。

2008年:Big Brown(ビッグブラウン) 中止/最下位入線
→1番枠からスタートするもスタートからしばらく引っかかる。
 3番手追走から3コーナー過ぎて追い出しに入るも、
 いつもの伸びは無く鞍上が外に持ち出し追うのを止める。
 プリークネスS後、裂蹄を発症していたものの、
 結局この時の敗因は特定されませんでした。
 勝ったのは逃げたDa’ Tara(ダタラ)。クラシック未出走。

2014年:California Chrome(カリフォルニアクローム) 4着
→好位のラチ沿いを追走。徐々に外に持ち出し、
 先行各馬を交わしにかかるも、いつもの伸びは無く敗退。
 スタート直後に他馬と接触し脚を踏まれて裂傷を起こしていました。
 勝ったTonalist(トゥーナリスト)はクラシック未出走の
 ピーターパンS勝ち馬。
 

 

という風になっています。
個人的な考えの敗因をまとめると、

<当日の怪我などのアクシデントによるもの>
Spectacular Bid、Charismatic、California Chrome

<距離適性が下回った>
Pleasant Colony、Silver Charm、Funny Cide

<ライバルも強かった>
Alysheba、Sunday Silence、Real Quiet

<余力なし・不明>
War Emblem、Smarty Jones、Big Brown

 
それではあらためてAmelican Pharoahの戦績を見てみます。

<ローテーションによる余力>

デビューは2014年8月。
9月に2戦して休養。年明け初戦は3月。
そこから4戦が消化されています。
このレース数はBig Brownと並んで最少。
Big Brownも9月にデビューして年明け初戦が3月ですので、
ほぼAmelican Pharoahと同じようなローテです。
他の2冠馬達よりもローテション的な余力があるのは
間違いないでしょう。

レースによる疲労もダービーは接戦で、
1番厳しいレース運びになったとはいえ、スローな展開。
プリークネスSも直線で突き離した後は、ほぼ馬也。
ここでも余力が残っている状態でレースを終えたはずです。

 
<ライバル馬>

ダービープリークネスS共に完勝。
同じメンバーであれば負ける確率は低い印象。
Sunday Silenceに対するEasy Goer
Real Quietに対するVicotry Gallopに該当するような、
ライバル馬は存在せず。

 
<別路線組>

こればかりは戦ってみなければ分かりません。
5月25日時点でのベルモントS登録馬を見ると、
ダービープリークネスS以外からの出走馬は、
ピーターパンSの連対馬2頭のみとなっています。
勝ち馬はMadefromlucky(メイドフロムラッキー)。
レース内容勝ちタイム共に悪くは無いのですが、
すでにAmelican PharoahレベルSアーカンソーダービーで対決済み。
レベルSでは6馬身差の2着
アーカンソーダービーでは、ほぼ馬也のAmelican Pharoah
大差負けの4着正直、勝負付は済んでいます。

 
<距離適性>

これも走ってみない事には分かりませんが、
血統評論家の栗山求氏の血統分析によると、
母方はスタミナや底力に秀でた血統のようで、
ベルモントSの12ハロンでも対応できるであろうとの事。

 

~結論~

ダービーのタイムが遅いので時計勝負だと?
と言われることもありますが、その前のアーカンソーダービー
馬也で破格のタイムで走破しているので、
時計勝負でも大丈夫だと思っています。
加えてレベルSプリークネスS不良馬場でも対応でき、
競り合いにも強く最後まで伸び続けるタフさ
さらに出走メンバーを考えると、3冠達成の可能性は
かなり高い
と思います。
あとは、故障や当日のアクシデントのみでないでしょうか。

もし他馬に逆転があるとすれば、
ダービーで前に行った3頭とは離れたところから、
直線シッカリ伸びてきて4着に入り、さらにはプリークネスS
回避
してココに挑んできたFrosted(フロステッド)ではないでしょうか。
父は昨年の勝ち馬Tonalistと同じTapit(タピット)。

 
さて、今年こそ偉業は達成されるのか。
楽しみです。

 

では最後に、ベタですがベルモントSといえば、
セクレタリアトが3冠達成したレースですね。
何度見ても、鳥肌が立ちます。
そして勝つのは難しいと分かっているが、
それでも着は狙わず、クラシック連続2着のリベンジするべく、
果敢に勝ちに行ったシャムの走りに感動です。

 

→ American Pharoah(アメリカンフェイロー)、37年ぶり米国3冠達成!!

 

 

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