16年ぶりJRA所属新人女性騎手誕生
16年ぶりJRA所属新人女性騎手誕生
JRAは11日、平成28年度新規騎手免許試験の合格者を発表した。
競馬学校騎手課程第32期生の6名が全員合格。
このなかには、女性としては16年ぶりの合格者となる藤田菜七子さん(18)
=美浦・根本康広厩舎=が含まれている。
このほど2016年度新規騎手免許及び調教師免許の合格発表が行われました。
その中で競馬学校32期生の藤田菜七子さんが、
2000年の西原玲奈元騎手(現・調教助手)以来16年ぶりに、
JRA所属の女性騎手として見事に合格。
3月より中央競馬界にデビューします。
2013年に増沢由貴子元騎手が引退して以来、
JRA所属の女性騎手はいなかったため、
3年ぶりの女性騎手が中央のターフに帰ってくることになります。
※地方競馬には7人の女性騎手が所属(2016年2月現在)。
久しく誕生しなかったJRA所属の女性騎手。
男社会である業界に苦戦する以上に、
女性騎手だと、まず騎乗機会を得る事が難しい。
考えてみてください。
数千万から億単位で買った馬を走らせるのに、
少しでも勝つ確率を上げるのには、
やはり外国人騎手やリーディングトップの騎手に頼みたくなるのは、
馬主側の気持ちとしては必然でしょう。
かつて競馬学校で、今も現役バリバリの福永祐一騎手や和田竜二騎手が
同期にいるにもかかわらず、卒業時もっとも優秀な卒業生に贈られる、
アイルランド大使特別賞を獲得した増沢(牧原)元騎手も、
デビュー年は福永騎手が518鞍(53勝)、和田騎手が468鞍(35勝)に対し、
増沢元騎手は146鞍(9勝)。福永騎手は別として、勝率・連対率でいえば、
同期の中でも優秀。それでも乗鞍は恵まれず、若手騎手の減量が取れた途端、
一気に乗鞍は激減しました。
それだけ女性騎手へのアタリが強い業界ですので、
藤田さんも相当の苦労があるかと思われますが、
武豊騎手を除いて”騎手”でお客を呼ぶスター騎手が生まれないJRAの現状、
その可能性を持った候補生であるのは間違いないので、
頑張ってほしいものです。
世界的に見ると、
昨年夏に短期免許で来日し穴馬を多く提供したリサ・オールプレスが
所属するニュージーランドやオーストラリアには
(競馬界の風習が違うとはいえ)多数の女性騎手が活躍していたり、
先日引退した英のヘイリー・ターナー、米のシャンタル・サザーランド、
古くは3704勝をあげたジュリー・クローンなど、
トップクラスで活躍する女性騎手もいます。
ですので、女性騎手だから勝てないというわけでは決してありません。
ただ、昨年東京競馬場で行われた32期生による模擬レースでの、
藤田さんの騎乗ぶりを見る限り、これから乗り越えなければならない課題が、
山ほどあるように思えますが、世界で活躍する女性騎手に追いつき追い越せの気持ちで、
技術や肉体面の強化はもちろん、精神面でも強くなり、
新たな競馬ファンの獲得や、今後の女性騎手への裾野を広げる活躍を祈っています。
デビューしたからにはプロなので、男性騎手との差別はいけませんが、
やっぱり心情的には、良い馬を回してあげて~、って思っちゃいますね。
ちょうど、藤田さんが模擬レースで初めて勝利したと言われる、
卒業式前に行われたレース映像がアップされていたので、
騎乗スタイルを確認。
ハナを切ったタマモライトに騎乗して、そのまま逃げ切ったわけですが、
騎乗スタイルは、いたってシンプル。忠実に教えられたことを守っている印象。
追われてから、ほとんど体が上下に動かないで、
馬の背にビタッと張り付いていますね。
2着だったエクスペリエンス騎乗の菊澤一樹君が、
いわゆる”とんとん乗り”しているので、余計に対照的に映ります。
馬に余計な力を加えない騎乗スタイルですので、
馬に末の脚力や余力が残っていれば好走出来そうですが、
逆にズブい馬や余力ない馬を、騎手の力で動かすにのは厳しそう。
トップジョッキーでは池添騎手も、こういった騎乗スタイルなので、
彼のレース振りを参考にしてもらいたところ。
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