競走馬の一生
今回は、競走馬の生まれてからの流れを簡単に説明します。
※1.便宜上、中央馬の例を挙げます。
~0歳~
「当歳馬(とうさいば)」と言われます。
だいたい春から初夏にかけて生まれます。生後6か月で母馬から離乳。
集団生活の中で自発的な運動により、基礎体力をつけていきます。
~1歳~
競走馬は生まれた年の次の年の1月に、全馬が1歳に数えられます。
(つまり、1月に生まれるなど早生まれの馬は、7月に生まれた馬よりも成長している)
0歳から続く自発的な運動から、秋には人を乗せるための訓練である
騎乗馴致(きじょうじゅんち)が始まります。
馬具(人を乗せるための道具)に慣れさせる訓練から徐々に人を乗せる準備が始まります。
人を乗せることに慣れていない馬にっとって、この訓練が難解で1番重要なため、
通常は数週間かけて、じっくり調教されます。
騎乗馴致が修了した馬は、いよいよ軽い調教から強い調教へと段階を踏んでいきます。
~2歳~
牧場での競走馬としての基礎を終えると、
さらに大規模な調教施設へと移されます。
その施設の拠点が、
栗東トレーニングセンター(西日本)と美浦トレーニングセンター(東日本)。
ここでデビューまでの数週間、徹底的に鍛えられます。
早ければ、6月にデビュー。
(馬の成長の早い・遅いがあるのでデビュー時期はそれぞれ)
~デビュー後~
新馬戦(デビュー戦)から引退まで、年間3~10戦ほどのレースを走ります。
好成績を上げた牡馬(おすうま)は、種牡馬(しゅぼば)になれます。
種牡馬とは、繁殖牝馬(はんしょくひんば)と交配できる馬です。
ようは、これから生まれてくる馬の、お父さん馬です。
種牡馬としての生活が終わっても、功労馬として牧場で
のんびりとした生活が始まります。
さらに、現役時代に偉業を成し遂げた馬は、
顕彰馬(けんしょうば)として、後世に名が残るようJRAに認定されます。
※殿堂馬とも言われます。
ざっくりとした説明でしたが、
デビュー以後の説明は、競馬を始める上での根幹なので、
基礎講座で順に説明していく予定ですので、
いまは、こんな感じで競走馬が生まれていくんだなぁと思ってください。
ちなみに上記のデビュー後の例は、
毎年生まれる7000頭の内の数頭しかいません。
その他大多数の馬は、それぞれの道へと歩んでいきます。
競走馬の一生についてもう少し
詳しく教えて頂けますか。
このページのラストのそれぞれの道へと歩んで行きます。とは
どういう事でしょうか?
競走馬も子馬の頃は幸せなんでしょうか?
何か哀愁を感じてしまいます?
>鈴木恵子さん
ページに記載されている極一部の競走馬をのぞいて、
乗馬や観光等に回される馬もいれば、廃用(屠殺)となる馬もいます。
乗馬とになったとしても、衰えれば廃用となる事も多々。
これは、仔馬でもありえます。
将来、競走馬としての可能性が低い場合、やはり廃用となります。
(詳しくは、ネットで探せばいくらでも出てきます。)
競走馬が等しく幸せな時期というのは、
母馬と一緒の期間だけではないでしょうか。
競馬に光の部分があるなら、かならず影の部分が出てきます。
これを良しとするかしないかは、個々人がそれぞれで決める事で、
他人が自分の考えを押し付けるモノでは無いと思いますので、
私の考え方は控えさえていただきます。
ただ現在は、そういった引退後の競争馬の第2の人生について、
有志で共同出資して最後まで面倒を見たり、第2の働き口を探す運動などが、
徐々にではありますが増えてきています。
決して、日本の競馬界やファンが、
これらの事について何も考えていないという訳ではない、
という事をご存じでいて下さい。