調教について
競走馬はレースに出るまでの間、さまざまな調教が施されます。
牧場での馴致が始まってから、引退するまでズッと続けられます。
では、どのような調教があるのか。
今回は、各馬が厩舎に入厩してからの調教方法を見ていきます。
具体的な調教コース等についての説明は、次回書きますので、
今回は、調教ってどういうものがあるのかだけを覚えてください。
まず、どういった調教があるのかと言いますと、
大きく分けて「2つ」に分かれます。
● コース追い
実際のレースに近いコースで調教をつける事により、
コーナーでの曲がり方や、折り合いをつける勉強にもなります。
つまりレースのイメージを覚えさせるために使用されます。
さらに、長い距離を走らせることによりスタミナ面の強化にもつながります。
一昔前までは、ほとんどがこのコースでの調教がメインでした。
(というかコース調教しかなかった。)
● 坂路(はんろ)追い
読んで字のごとく、坂道を走らせる調教。
1985年に導入されたこの坂路調教により、
日本の競馬は加速度的に進歩しました。
傾斜のある走路を走ることで筋力がアップし、
その馬のスピードの強化に非常に有効とされています。
現在、ほとんどの競走馬はこの坂路での調教を行っています。
ただし、スピードアップの効果がみられる反面、
脚元への負担は大きくなるため、故障リスクも増加します。
● プール
大きく分けると上のコース追いと坂路追いがメインですが、
付随してプール調教というモノもあります。
プールで馬を泳がし、心肺機能のアップを図ります。
上の二つに比べて、能力のアップは僅かですが、
水中での浮力により脚元への負担は軽減されます。
さらに、リフレッシュ効果もあるとされています。
以上が、大まかな競走馬に施される調教です。
次に、競馬新聞等に載っている調教欄に
書かれている語句について説明していきます。
~調教内容~
● 単走
「コース追い」にしろ、「坂路追い」にしろ1頭だけで走る事。
正確なラップを刻み、レースでの力配分を身につけるのに有効です。
● 併せ馬
単走とは違い、2~3頭一緒に併走して走る事。
他馬と走ることにより、競走心を煽る効果がある。
逆に、レースで燃えすぎる馬に対しては、
この併せ馬で、わざと力を抑える事で、
折り合いをつける効果が出てきます。
● 15-15
1ハロンを15秒刻みで走る事をさします。
本格的な調教が始まる前のウォーミングアップの面と、
ラップ通りに走らせることにより、折り合いをつける効果があります。
~調教の強度~
● 馬なり
馬の行く気に任せた調教です。
調教で跨っている騎手は、ほとんど馬を追う事はありません。
● 一杯
調教で跨っている騎手が、ムチを叩いたり手綱をしごいて、
馬を強制的に目一杯走らせる事。
効果は高い分、疲労も大きい。
● 強め、仕掛
「馬なり」と「一杯」の中間。
「馬なり」と「一杯」は、騎手の動き等で分かりやすいですが、
「強め」や「仕掛」は、記者等の主観になってくるので、
各紙でバラバラになることも多いです。
~調教タイム~
競馬新聞等の調教欄には
調教内容と同時に、ラップタイムが掲載されています。
坂路:5ハロンのラップタイム
コース:3~6ハロンのラップタイム。
だいたい、この距離ごとのラップタイムが掲載されていて、
一般的に全体のタイムとラスト1ハロンのタイムが重要視されています。
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