競走馬の性別と馬齢
~性別~
競走馬は性別の分類として
牡馬(ぼば)・牝馬(ひんば)・騸馬(せんば)
と分かれています。
牡馬は「男」
牝馬は「女」
騸馬は「去勢された牡馬=オカマ」
初心者の方でも、牡馬・牝馬は分かると思いますが、
「せん馬」については説明必要だと思います。
競走馬は他馬より速く走り競り落とす為に作られた馬ですので、
ほとんどの競走馬の気性は激しいものです。
ですが、激しい気性がレースにいい影響を及ぼすことも有れば、
レースに集中しなかったり、気合いが入りすぎてレース前に、
体力を消耗してしまう事など悪い影響を与えることもあります。
よって騎手やスタッフの言う事を聞かす為に、調教が積まれるわけです。
それでも気性の激しい馬の場合、
去勢(生殖部の切除)して、気性を良化させる必要があります。
これにより、成績が著しく良化する例があります。
2歳戦は未勝利だったが去勢明けの3歳夏に未勝利戦を勝ってから、
一気にジャパンカップを勝利するまで上り詰めたレガシーワールドや、
5歳で去勢後、マイルチャンピオンシップを勝利したトウカイポイントなど。
しかし、気性が良くなる効果の反面、
当該馬が活躍しても、当然子孫を残すことはできません。
トウカイポイントは、2013年現在トウカイテイオー唯一のGⅠ勝利馬の為に、
(ヤマニンシュクルが阪神JFを勝利しているが牝馬)
シンボリルドルフ-トウカイテイオーと、ファンが多いこの系譜の存続は
いまだに崖っぷち状態です。
そのため、日本の競馬界では素質馬を「せん馬」にする傾向は少ないです。
ですが、海外に目を向けると競走馬をデビュー前から「せん馬」にする例は多く、
香港やシンガポールのほとんどの牡馬は「せん馬」にされます。
なお、「せん馬」はいくら強くても
2~3歳限定のGⅠレースには出走できません。
~馬齢(ばれい)~
「競走馬の一生」でも書きましたが、競走馬は生まれた日付は違っても、
翌年の1月1日で全馬が年齢を1つ重ねることになります。
2歳:レースに出走できる年齢。
3歳:クラシックレースに出走できる年齢。
4歳以上:古馬と言われる年齢。
4歳以上で古馬と言われますが、
現役の競走馬として出走できるのは12歳ぐらいまでです。
(具体的な規定は無い)
競走馬の活躍時期は成長具合にもよりますが
多くは4~6歳がピークです。
ですが、近年では医療技術や調教技術の発達により、
ピーク時期を超えても活躍する例も少なくありません。
例えば、7歳で宝塚記念を勝ったタップダンスシチーや
10歳で重賞を勝利したアサカディフィートやトウカイトリックなど。
そして、この馬齢により出走できるレースが決まっています。
例1)「朝日杯FS」(2歳限定):2歳○ 3歳× 古馬×
例2)「日本ダービー」(3歳限定):2歳× 3歳○ 古馬×
例3)「天皇賞・春」(4歳以上):2歳× 3歳× 古馬○
2歳、3歳戦については間違う事は無いでしょうが、
古馬も出走するレースが、「3歳以上」か「4歳以上」かは
混乱することもあるので、覚えておきましょう。
●現表記と旧表記について
馬齢で注意しておきたいのが、現在の表記と旧表記の違いです。
日本では2000年まで馬齢には「数え年」を利用していました。
つまり、現表記での3歳馬は、旧表記では4歳馬となります。
当ブログの名馬列伝等では、現表記に準拠して書いていますが、
2000年より前のレース名に馬齢が使われている場合は
そのままにしてあります。
朝日杯3歳ステークス(現・朝日杯FS)と書かれていても、
3歳が出走しているわけでは無く、現行と同じで2歳が出走していますので、
混乱なきようお願いします。
このように、旧表記で書かれている文章など、
まだたくさん残っていますので、過去の馬の成績やレースを
調べる際、旧表記なのか現表記なのか、チェックする必要があります。
~ひとこと豆知識コーナー~
競馬をしていると、たまに「~世代」とか聞くことがあります。
この「~世代」とは、生まれた年の当歳馬を言うのではなく、
クラシックを走る事の出来る馬達の事を言います。
簡単に言うと、その年の3歳馬に対して使われるもの。
例として、エルコンドルパサー、スペシャルウィーク、
グラスワンダーという歴史的名馬が同世代に誕生した年がありました。
これらの馬が3歳だった年が1998年。
よって、この年3歳だった競走馬の事を「98年世代」と言われます。
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