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最後の『平成3強』イナリワン、大往生

89年天皇賞・春、宝塚記念、有馬記念を制し、
同年JRA賞年度代表馬に輝いたイナリワン(牡、父ミルジョージ)が
7日午後4時25分、けい養先のあるぷすペンション(北海道占冠村)で老衰で死んだ。
32歳だった。

~Sponichi Annex~

1980年代後半の競馬ブームを支えた1頭のイナリワンが、
2月7日、32歳で天寿を全うしました。

イナリワンは1984年生まれ。
南関東競馬の大井の福永二三雄厩舎に預けられ、
アクシデント等ではるクラシックは棒に振るも、
デビュー戦から8連勝で南関重賞2勝。

明け4歳の年末に東京大賞典を制覇すると、
陣営は中央競馬への移籍を決意。
美浦の鈴木清厩舎に転厩しました。

移籍2戦は不利などもあり結果を残せなかったが、
3戦目の天皇賞・春では武豊騎手を鞍上に迎え、
落ち着いたレース運びで5馬身差の圧勝。
続く宝塚記念も勝利し春シーズンを締めくくる。

<天皇賞・春 1989.4.29>

夏の休養を挟み、毎日王冠から始動。
武豊騎手は、前年の菊花賞馬スーパークリークに騎乗するため、
柴田政人騎手に乗り変わり。
レースは同じく地方からやってきた怪物オグリキャップとの、
激しい差し比べに、わずかに競り負けて2着。
その後2戦は結果が出なかったものの、
暮れの有馬記念では、そのオグリキャップスーパークリークに先着し、
29年ぶりの春秋グランプリ連覇を果たし、年度代表馬に選出。

<有馬記念 1989.12.24>

明けて6歳となり、阪神大賞典では5着。
連覇を目指した天皇賞・春では先に抜け出したスーパークリークに及ばず2着。
宝塚記念も4着と精彩を欠き、脚部不安などもあり引退・種牡馬入りとなりました。

オグリキャップのような力強いタイプというよりも、
小柄でキレで勝負するようなイメージ。
それでいて気性が非常に勝っていて掛かり癖が強く、
鞍上泣かせの名馬でした。

中央成績は3勝で、いずれもGⅠという個性派。
オグリキャップスーパークリークと共に「平成3強」と言われ、
第2次競馬ブームを支えた1頭。
先に逝った2頭と共に、安らかに。

 

 

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